ピンキーストーリー

〜・おでかけ おでかけ・〜

岡山尾道其の他日記2006・・・その三

pinkyってなんじゃ食物か?…って人は
こちら


そんなわけで最終日。

朝ごはんもそこそこに高梁までやってきました



「日本一高いとこにある山城があるんだってさ。たっのしみ〜」


そんな城郭分の多いココロにうってつけ

高梁は城下町の名残でそこらじゅう石垣だらけなのですよ


「石垣が好きなんじゃないやい。城が好きなだけだい」


そんなわけで第一の目的地薬師院に到着です



「堅牢だよね。ぱっと見、寺って言うよりも城っぽいや」

「ううん、隣の松連寺まで一続きでやってやがるんだ!!」



やってるって何をやってるかって言うと

寅さんでおなじみ「男はつらいよ」のロケ地なんです。

よく見ると薬師院の下とかに「ロケ地」の碑が立ってますね



「あの絵はなんだろう?なんか鎧武者が書いてあるね」


由来は不明。

さてさて、二つの寺院を回った後

正面の駐車場から改めて松連寺のほうを振り返ると

本当に城跡の上にお寺を立てたかのような面持ちです


「良いよねーお城。ここ数日偽モンばっか見てたからさぁ」

「これだって、城じゃなくてお寺なんだから…」



あっお城!!


そう、今日はこれから備中松山城に行く予定だったのです!!

現存する城郭では日本一高いところに建っている

ふもとから見ると木々の隙間からチョットリと

天主の一部が見えるやら見えないやら

とにかく初めての場所に歩いて登るの面倒!!

そんなわけで行ける所までタクって来ちゃった



「結構道がちゃんとしてて歩きやすいよね」

「ううん、自然歩道なんて仰々しい名前だからもっと獣道っぽいかと思ってたよ」



「ちゅーかさ、下に自動車道あるのにわざわざこんなとこ登るなんて、なんだかなあ」



下のはたぶん職員用の道路じゃないんですか?

なんにせよ車止めがあるのでタクシーで上がるのは無理って言うもの


「そういえば駐車場近くで道路を歩いていた女の子がいたけど…

あの子どこいったんだろう??」


道路を歩いてったにしては全然その姿が見えません

周りに誰もいない山道だけに一寸怖いですね


「あ、こんなところにも石垣が!!」



ここは丁度中間地点

ますます山深くなってきたけど

もうもう少しだから頑張れ


「な、なんか上からバキバキ音するんだけど??」

「サルかな??猿かな??野生のサルを餌付けしたって運ちゃん言ってたよね」

「でも、さっきからサルに対する注意書きが何度もあるんだけど」


眼を合わせるなとか威嚇するなとか

女の人は手提げに注意とか

なんだか読んでるだけで

ワイドショーに映る箱根の猿が脳裏をよぎるのです


「…っ!!首筋にっ」

「虫がっ!!芋虫が山盛り!!」


ぎゃぁぁぁぁあああぁぁぁあ!!


バキバキするのは芋虫毛虫が木の葉をモリモリ食べる大合唱

スルスル特殊部隊のように降りてくる芋虫の滝の中を

絶叫しながら駆け抜けて、とにかく一息


「あーびっくりした。突然天井から降りてくるんだモン」

「まったく、未来世紀ブラジルかと思っ…」

「…」

「…」

「…?」

「…あ…」

「ああっ」



うっそうと茂る山林のなかに

突如として現れる積み上がるかのような

石垣の山やまやま



そう、ここは松山城大手門跡

石垣の間を三の丸・二の櫓と登っていくと

ついに天守閣に到着です



「意外と…ちっちゃい…!!」

「山のてっぺんだから天主は低くても良いんじゃない?」


そう、大手門からここまで結構な高低差がありますものね

それを考えればまあ、本丸なんかこんなもの



それにしたって、せめて三階ぐらいは…

とかブツブツ言いながら天守閣を回り

裏手の二重櫓までやってきました



「蜂が多いよ。黒くてでかいやつ」


ヤバイやつだとショック死しちゃうからね

姿勢を低くしてやり過ごして

また天主の前に戻って一休み

自動で流れる説明を一通り聞いたら

再び自然歩道を下るのです



「なんか天主の周り、電線が張り巡らしてあったよね」

「高圧電流流してるみたいだったよ」

「きっと怪盗が夜中に忍び込みにくるんだ!!」


さっきの倍鳴り響く音と芋虫を無視しながら

ズカズカずかずか。タクシーは使えないので

駐車場からさらに奥深い遊歩道をふもとまで


さてさて何とか無事にふもとに到着

よく考えたら運ちゃんの名刺貰ったから

携帯で呼び出せたのに、そんな後悔後にたたず



そういうわけで川沿いに下って

高梁市商家資料館までやってきました



「醤油の樽でかかったよね」

「受付にレコード!!レコード久々に見たよ!!

SP盤とLP盤だよ。48回転だよ!!」

「レコード??れこーどってなに??ココロこどもだからわかんなーい」


ブッコロス!!



さてさて、来た道をガーって戻って

石火矢町ふるさと村



そして高梁市武家屋敷館に到着です

ここは松山城の城下町。

かつて武家屋敷が軒を連ねたその場所です


「入り口に座ってる人形は一寸驚いたよ。突然お辞儀するんだもん」



「動かなくても驚くけどね」


「興奮しすぎなんだって。井戸水で頭冷やしたら?」



二人でわいわい屋敷の中から資料館と回ったら

再び武家屋敷の町並みを通って頼久寺に到着です



「ここも石垣だー。本当に石垣ばっかだよね」

「いいじゃん。ココロ好きでしょ??石垣とか石垣とか」

「いや、この町石垣ばっかりだしさ〜」

「あんた文句ばっかり」



「文句ついでに庭園の中を歩き回りたいね」



残念庭園は見るだけです

さてさて、ここで一寸一息

商人町の趣を残す紺屋町筋沿いにぶらぶら



そして高梁川まできたら、

川の流れをのんびりと眺めてみたり



「狭い町なのになんか疲れたね」

「だから、ハッスルしすぎなんだってば」



川の涼しい風にしばしあたって

気持ちを落ち着けたら

再び紺屋町筋でブラブラと

そして駅方面へと進んだら

高梁市郷土資料館に到着です



「ううん…紙展示がすごく反り返ってたね」

「湿度調節用にコップがおいてあったけど、あんまり意味無いっぽいや」


所狭しと積み上げられた展示資料と一階に復元された

商家と農家の囲炉裏端にかなり満足の二人です

でも、一寸時間を使いすぎたかな?

そろそろ駅に戻らないと次の電車は30分後

慌てて戻ると丁度倉敷行きが来たところ

ばっと飛び乗りホッと一息ついたらもう倉敷です



「ねえ、予定よりも時間ありそうだから

一寸だけ、ね、一寸だけ区らしき散策しようよ」


そういえば倉敷は初日の夕方鶴形山公園に登ったきり

だけど、今日は月曜日

資料館も美術館も博物館も

ご飯を食べるところすら

軒並みお休みなんです。


「いいの!!美観地区ぐらい歩かないと勿体無いじゃない」



中央通りをぬけてくいっと角を曲がったその一角

その倉敷川沿いのみなんだか時間が止まってしまったかのよう


「でもやっぱ全部閉まってるね。民芸館ぐらい入りたかったな」



それでもなんだかシットリとした綺麗な町並みに

なんだかほんのりしてしまう二人なんだった



短い時間だったけどしばし堪能したら

倉敷美観地区ともお別れ

慌てて岡山に戻ってこんどは新幹線に乗り換えです



「まぁーるいおはなのしんかんせんっ」

「まーるいお鼻の新幹線っ!!」

「0系がやっぱ一番新幹線って形してるよな」

「こだま号は乗り遅れても呼べば帰ってくるんだぞ」


"こだま"と"やまびこ"は返ってくるのがしたりまえ



「…っゆーか、この車両…喫煙車??」


禁煙と喫煙を間違って買ってしまったようです。

されど次の目的まで約30分、

幸い車両はガラガラでヘビースモーカーもいないよう

とりあえず柚餅子でも食べて一息


そんなことをしてる間にこの旅の最終目的地

そう、姫路駅にやってきたのです!!



「感動だなあ。実は去年広島に行ったときから寄りたくってさあ」

「気持ちはわかるけど、なんか勿体無い回り方だよね」

「勿体無いじゃなくて贅沢!!ブルジョアなのセレブってやつ!!」



何だかんだ言って二人とも鉄分が多いお城好き

口ではあれこれ言いながらもニコニコしながら天守閣へと

足取り軽く進むのです



「おおきいなあ…午前中に見た松山城が小さかったから余計に思うよ」

「天守閣だけじゃなくてその周りも残ってるから、

だから余計に大きく感じるんだきっと!!」



「おおきいなあ。綺麗だなあ。かっこいいなあ」

「なのに、無骨で強くて…えーと、えーと」



西の丸と本丸を回るだけでもう精一杯。

隣の好古園ぐらいは行きたかったけど

でもそれ以上に大満足。


さてさて、そろそろおうちに帰る時間

帰りの新幹線が来るまで売店で買ったどら焼きでほっと一息



そして、新幹線の中でアナゴ弁当で軽く夜御飯を済ませます



「旅情ってやつだね。やっぱ駅弁は電車で喰わないと」

「神戸牛弁当と蛸壺弁当もおいしそうだったけどね」


お土産と駅弁は観てると全部食べたくなるので

売り場はとってもデンジャゾーン


「でもアイスは別バラ。ガチガチに冷えてて一寸硬いよ」



「人肌でゆるくしてから、半生のところを…」


パクッ…て食べたら口中バニラの香りでいっぱい

それじゃあ今回はこんな感じでまた今度





カレーは自分土産



その一

その二





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