季節は移り変わって晩秋

秋も深まり寒さも段々と増してきた今日この頃だけど

今年はいつもよりも一寸暖かいみたい?!


「でもさぁ?いくらなんでももう11月も中旬だし

そろそろ一寸いい時期なんじゃないかな?」

「時期は良い感じだけど、今年は紅葉不作らしいよ?」


だけどやっぱりこの時期に出かけなくっちゃ面白くないやいっ!!

そんなココロとさっちん二人でつれたって

まだ見ぬ紅葉を目指してシーズンに沸き立つ京都奈良をめざして

いざ西へ!!



でも、いざついてみたら京都じゃなくて

滋賀県は比叡山坂本だったりするんだなこれが


「って、なんで東にずれるんだよ!!」

「世の中得てしてそんなものなんじゃん?!」


ピンキーストーリー

〜・おでかけ おでかけ・〜

京都奈良2007・・・その一


pinkyってなんじゃ食物か?…って人は
こちら


紅葉いくなら山に登ればいいじゃん?

山に行くならお寺とか何かあるほうがもっと良いじゃん??


「だったらせっかくだし比叡山延暦寺に焼き撃ちじゃない?!!」

「…いや、焼くのはまずいだろう焼くのは」


一寸ハイテンションのさっちん

一寸ココロ引き気味だけど、でも冷めているようにみえてその実

駅前に建っている「石積みの町・坂本」という看板で

何か胸の奥が「きゅんっ」と熱くにはいられないのでした


…なのにその気持ちに水をさすような山の天気

前日までの土砂降りが山の上に厚く雲をかぶせてしまっているのです



「…大丈夫。ガスはかぶっていても今日は日も出てるし

きっと午後には晴れてくるよね」


まだ乾ききらぬ道路をテクテクと山へと進んでいくと

なるほど石積みの街とはよく言ったもの

やる気満々な石積みが二人を出迎えてくれるのでした



ああ、石積みの街ってこういうことなんだな

なんて一寸ほっこりした気持ちでさらに奥に進んでいくと…



「…っすごい…!!」

「…石垣に紅葉って、まるで絵みたい」


裏路地に現れた滋賀院門跡の姿に思わず言葉に詰まる二人

仏教が里から山に戻った時代

山から里に降りた高齢の僧が

その余生を過ごすために作られた里坊

ココはそんな数多く残る里坊のひとつなんです


「あの門が入り口かな?たのもー!!」



ざんねん。あそこはやんごとなき方々専用の門

脇にちゃんと一般人用の門があるんですよ

門だけじゃなくて中もちゃんと回りましょう



「ここってもともと京都御所の建物を移築したんだってね」

「でも、明治時代に色々あって燃えちゃったんだってさ」

「もったいな〜い!!写真ぐらい残ってないのかな。みたいなみたいな」


キャイキャイ騒ぎながら受付を済ませていざ中へ

説明受けてるうちに、さっちん一寸ボーとしてて気付いたら

一階には自分ひとり?!あれ?ココロは??


あわてて後を追って階段を二階へと進んでいくと…


「うわっ!!」



「…あれ?!あれ??松!?でかい龍がいた気がしたんだけど?!」


なんかでかい龍ににらまれた気がしたのに

そこには襖に描かれた良い枝振りの松しかありません

なのにやっぱり視線を感じる気がします


ぶるるっと震えてこの場を離れ二階をぐるっとまわり

再び一階にもどると、裏の庭園から涼やかな水の音が響いてきます



入り口でココロと合流


「怖いね怖いね。なんかやっぱいるんだよここ」

「なにかって、二階の松の絵?凄いよなあれ松を龍に見立ててるんだってさ!!」


あれ?って感じのさっちんをよそに

滋賀院の裏手から坂を一寸上がって慈眼堂 



さらに坂を上って日吉東照宮までやってきました



このあたりから麓に広がる琵琶湖が見えるのに

遠くの景色が少し霞んで一寸もったいないね



「東照宮って日光かと思ってたのにこんなところにもあるんだ」

「だって、上野公園にもあるぐらいだしね。形と大きさは上野にも負けてないよ」



「…そういえば、日光の東照宮は定期的に色を塗り直してるらしいけど

ここも塗りなおしてるのかな?!工房はどこかな一寸見学したいかも」


残念ながら付近にそれらしきものは見えませんね

でも、一寸はげてるところはあるけれど

屋根の下や中の装飾は色鮮やかで、いつまで見ていても果てる事はありません


でも、いつまでもここにたたづんでいるわけにも行かないので

泣く泣く東照宮を後にして道なりに進んで日吉大社へに到着です。



正面の鳥居から参道を進んでずずいっと奥へ

先ずは一番奥の西本宮本殿殿



「西本殿ってことは東本殿もあるのかな?どうでもいいけど

本殿の前にロープ張ってあってコレじゃお参りできないよ?!」

「お参りは正面の拝殿ですればいいんじゃん」


そうそう、コレは舞台じゃなくて拝殿だったんだ!!

とりあえず正面に戻ってぺこりとお参り

お賽銭入れる場所ないけどいいのかな??



一寸気になったけどまあいいやってことで

お参りが終わったら順路に沿って東本殿を目指します


「って、なんだ隣にあるんじゃん」



残念こちらは摂社の宇佐宮本殿 

とりあえずココでもおまいりしてさらに隣に進むと

やっぱり摂社の平山姫神社本殿



「え〜と…ぺこぺこぱんぱんむにゃむにゃぺこり」


お参りを済ましてさらにとなりに進むと

今度こそ東本宮に到着です!!



「やっとついたー。なんか西本宮よりも東本宮のほうが

メインっぽくね?建物も多いし」

「こっちはロープ張られて無いから本殿の近くでおまいりできるね

ちゃりんがしゃがしゃぺこぺこぱんぱんむにゃむにゃぺこり」



本宮におまいりついでに正面に建っている

摂社の樹下神社にもおまいりです



「この摂社もお参りすると日吉大社コンプリートかな」

「せっしゃせっしゃって侍じゃないんだからっ」


ぱんぱんっなにかいいことありますようにペコリッ!!


さてさて、坂本の町をぐるっと回ってきたけれど

実はまだまだ行ってないところがあちこちに

でも、なんか忘れてない?。今日は比叡山に登るのが目的じゃなかったっけ??

日吉大社を慌てて後にしてそのままケーブルカーの駅に向かいますが


急ぐ旅でもないので旧竹林院に一寸寄り道です



「庭園って一寸雨で湿ってるほうがしっとりとして好みだよ」

「じゃあ、今日は降ってるほうがよかった??やんでないほうが良かったの?!」



そんなこといってないじゃん

さてさて、坂本の町もこのぐらい

ケーブルカーで一気に山の急斜面を駆け上がり

山頂比叡山延暦寺に到着です



麓から見た山はかかる雲で山頂が見えなかったけど

上がってみるとそこはまさに雲の中

ケーブルカーから降りたその先、

駅舎の姿すらおぼろげです



「良かったねココロ。むっちゃくちゃ雨上がりって感じに湿りまくってて」

「…しっとりしててうれしいのは庭園だけでいいよ…」



なんて残念そうに言っていますが、なかなかどうして

霧に照らされた境内はまさに人里はなれた修行の場といった

雰囲気でとても神秘的な気配に包まれて

それまで一寸浮ついた気分だったのが

キュッて引き締められるような気持ちになるんです



そんなキュンキュンしっぱなしの心をひた隠し

隠しきれない気持ちで文殊楼

そのまま正面の階段を下りると

霧の中からこの東塔エリアの中核をなす根本中堂

その巨体さりんっとした格好良さに圧倒される二人なのです



「…なんか奥のほうがずいぶん低くなってるよね?!暗くて灯篭の明かりだけじゃ良く見えないよ」

「拝殿の奥が土間になっている古い構造だってパンフに描いてあるね

不滅の法灯…ってあれ…かな?!アレでいいのかな」


キュンキュンなりっぱなしの気持ちを察したのか

表に出てみると再び霧が深く濃くなって

境内の建物を覆い隠していくのです



霧に包まれた山の中の寺という絶好のロケーション

どうせ東塔エリアは帰りの通り道なので

先に西塔エリアまで霧の中を散策することにしました



霧にかすむ山道を突き進み長い石段を

足が痛くなるまで降りて、その突き当りを再び進んでいくと

やがて霧の向こう、杉林の隙間に西塔の入り口

にない堂が姿をあらわします



「そっくりー!!何で同じなんだろう

スペアかな?焼き討ちにあった時用のスペアとか??」

「そう二度も三度も焼きまくられてたまるかい!!」



霧の中、二つのお堂に見守られその間をすりぬけて

その向こうの石段を一歩一歩と降りてゆくと…



その深い霧の中にひっそりとたたずむ釈迦堂が現れました



「ねぇねぇ、ココロココロ、なんかこっちになんかあるみたい」


一通り参拝を終え今日最後の目的地横川へ行こうと思ったら

さっちんがなにかを見つけたようです


「なんかってナニ??」

「なんかってなんかだとおもうんだけど?!一寸行って見よ」


釈迦堂脇から山に入って細い散策路

間違って変なところにはまり込んだら迷い込んでしまいそうな

散策路をウロウロと登っていくとそのずっと先の上に…巨大な相輪塔!



「これって、五重塔とかの上についてるアレだよね??おっきぃよね」

「でもなんでこれだけ?塔は?塔はどうしたのさ」

「さぁ?もしかして信長が焼いちゃったのかもね」


比叡山といえば焼き討ちだもん!!

そんなさっちんのあっけらかんとしたせりふに

妙にさっぱりしてしまうココロなんだった



さて、そろそろ日も傾いてきたので急いで横川へと向かいます

でも、歩いていくには一寸遠いからバスでショートカット

横川につくと先ほどまでの霧はどこへやら

日の光が差し込み暑いぐらいです



でも、いくら厚いぐらいといってももう夕方

観光客もまばらな横川をぐるっと回って

東塔に戻ってみたらこっちはまだ濃い霧の中

もう少し待ってみたら晴れるかなとも思ったけど

あまり遅くなると京都に抜けるバスが終わっちゃう!!


落ちる夕日とそれに照らされる山肌を

バスの車窓から眺めながら

そういえば全然紅葉見てなかった野を思い出す二人なのでした


ま、全然紅葉してなかったからいいんだけどね



「…ちょっと、京都側雲かかってないじゃん!」


なんとなく負け組み

その二

その三




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