という訳で明けて三日目
今年は奈良奥山から円成寺に抜けてそのまま柳生まで行ってみよう!!
というような壮大痛快愉快な計画を立てているのですよ

ちゅうわけでせんと君ことヌル坊に見送られていざ出発です


京都奈良日記2008(三)
pinkyなくちゃいやジャー!!…って人はこちら


というわけで猿沢池
う〜ん…段々雨が強くなってきたなあ…
雨降ってるときに山道って歩きたくないんですよね

一応ささやきの小道のところまでは行ったのですが
一寸雨がゆるくなりそうな気配がまったく無いので
予定を変更。奈良奥山は明日に回して
今日はバスで円成寺へと行くことにしました

春日大社をぬけて近鉄奈良駅前のバスターミナルへ
鹿にちょっかい出したいところですがそんなに時間がありませんよ

そしてバスで一気に円成寺
バス停は円成寺の脇のほうにあるので
正面まで道を戻って石段を降りていくと…

石段下りた正面に広がる浄土庭園
そしてソレを見下ろすように建つ楼門
じんわりと赤く色づく木々の赤と黄色と緑のコントラストと
雨にぬれたしっとりとした空気がなんとも綺麗じゃありませんか

一寸楼門が好いアングルなのでUPでもう一枚
でもココからは上がれないのが一寸残念です

脇の受付から上がっていざ本堂
左右の屋根廂のつき方と向拝に舞台をつけた正面の形状が
特徴的な一寸面白い形をした本堂です

形が特徴的なのもありますが、本堂内部の内陣周りの四本柱に
極彩色の聖衆来迎二十五菩薩がかなり綺麗に残っていて
そこだけでなく周りにうっすらと残る色彩をみると
もうゾワッと全身に鳥肌が立つ思いです

思わず三回入っちゃったよ

本堂ばかり見てるわけにも行かないので
手前の多宝塔に安置された大日如来像にお参りして
さらに境内をうろつきます

端っこのほうにある春日堂と白山道は日本最古の春日作りの社殿
でもそういうことよりも二つつながってるコトの方が面白いですね
その隣にぽつんと立つ宇賀神本殿もいい感じです

さて、再び浄土式庭園の池まで戻ってきたら
今度は先ほどのバス停があったほう、脇の出口へと向かいます

ココからは国道を外れ道標に沿って柳生街道へ
なんだか毎回こんなところばっかり歩いてる気がする〜

そういやあ、野牛街道の詳しい散策マップが駅前にあったらしいんだけど
まあガイドブックの大雑把な地図もあるし
なによりこのあたりは東海自然歩道の道標が
ちょくちょくあるからだいじょうぶでしょ

ってな感じで軽いノリで山道から山間の人気のない田畑を

歩いていたのですが…

途中で完全に方向を見失ってしまいました
別に道から外れてるわけじゃないんだけど絶対に曲がること間違えた!!

やっぱ、さっきの倒れていた道標のところ
直進じゃなくて左折だったんだな
円成寺と柳生の方角が逆になってたからおかしいと思ったんだけど
寝かせてある場所と本来建っていた場所が違ったのかもしらん

でも、正しいと思われる方向にいっても
本当にその方向で正しいのかかなり怪しくて

最初の目標にしていた石仏らしきところに出てやっと一安心

やっぱ地図貰ってきておくべきだったよなあ…

この近くにゲートボール場があってその近くに
次の目標の夜支布山口神社があるはずなんだけど…

と、ウロウロしていたらなんとなくソレらしい場所を発見
このあたり写真が全然無いのは田んぼで遭難しかかって
色々面倒になっていたから

「ソレらしい場所」に近づいていくと
道の上のほうに鳥居だけが顔を出しています

もともとはココに石段があったんだけど、道路を引いたときに
つぶしてしまって鳥居だけが残った…とかそういう感じかな

脇のほうの参道から境内に入ると
人気は無いのに中途半端に人がいた気配があって一寸怖いぞ(笑)

とりあえずお参りした後に境内をウロウロ
摂社の社殿は春日大社からの移築だそうですよ

さて、ココから次の目的地である南明寺へと向かうのですが
ココに来て自然歩道の道標が余りアテに出来ない事が判明したので
道標を無視して国道を歩くことにしました

だって、山口神社から道標に沿って移動したら
ただの住宅地を遠回りさせられた挙句に
行き止まりに直進させられたりしたんだもん

まあそれでも南明寺近くは自然歩道を歩いていたのですが
やっぱり良く解らない遠回りをさせられたりして一寸イラッと来ましたね

という訳で南明寺でそのイライラを一寸解消
ここは中に入れないので本堂の外からおまいりです

そして南明時の裏をグネグネすすんで峠道へと入っていきます

そして薄暗い峠を越えてたら次の目的地の疱瘡地蔵〜

ここで外国人観光客とすれ違ったんだけど
あの人たち、ハイヒールで峠越えるつもりなのかな…

そんな疑問を抱きつつお地蔵様におまいり

この岩思ったよりも大きくて、側面にもお地蔵様が彫られていましたよ

そして今度は迷わずに柳生陣屋跡に到着〜

ここは柳生藩の本拠跡だった場所なのですが
1747年に全焼してしまって何も残っていないようです
今は石を配してあるので大体こんな感じの間取りだったのだなあとか

そして陣屋の向かいの山肌に見えるのは…
やっぱ次の目的地の芳徳寺だよなあ
下ってまた登るのか…とほー

でもそのまえに方徳寺を素通りしてさらに山の奥
天之石立神社へと向かいます

ココは天岩戸の扉とされる大岩がご神体なのですよ
っというわけでずんずんと山の中にすすんでいくと…

なんか巨大な岩がごろごろしてるー!!

写真じゃわかりにくいかもしれないけど、
この岩一個直径数メートルはあるんですよ
谷間に敷き詰められた苔むす大岩の波に
一寸興奮気味に先を見ると…
なんか不自然に四角い岩が立ち並んでる!!

その不自然なまでに四角い直角な大岩が
ココのご神体。岩の正面には小さな拝殿が備え付けられていたので
とりあえず興奮気味にココでおまいりを済ませます

でも、本当の目的はさらにこの奥にあるんですよ

柳生の里といえば柳生新陰流ですが
その新陰流の開祖が天狗を一刀の元に切り捨てたという
「一刀石」という大岩があるというので

ちょっと見てみたいと思ってココまで来たのです

いや、別に柳生新陰流には何の思い入れも無いんだけど

とか思ってサクサクと山道を突き進んでいくと…

ゾワッってきた!!

行った先のどん詰まり
立ち並ぶ薄暗い林の一寸木立が切れた空間に
まるでスポットライトで照らされるかのように鎮座する
この姿はもう、まさに神々しいの一言

歩きやすいように置かれたらしい周りの板っ切れが邪魔ですが
これ以上ないぐらいにシンプルでありながら
それでいて雄弁な力強さは先ほどの興奮もあいまって
動くのも忘れてしまいそうな迫力があるのです

あまりに圧倒されて後ろに回るの忘れてた!!くそうっ

さて、来た道を戻って先ほど通り過ぎた芳徳寺へ
ここはもともと柳生家の屋敷だったそうですよ

本堂裏は柳生一族の墓所になっていて
きっと好きな人にはたまらない場所に違いありません

さて、次に…と思ったのですがさっきの陣屋跡の近くに
「魔利支天こちら」とか言う立て札が立っていたのが気になったので
ちょっと寄り道してみようと思っていってみたのですが

あえてよるほどではなかったかも(笑)

さて、再び国道に戻り暫くすすむと
向こうの山すそに柳生藩家老屋敷が見えてきました

ココは石垣から門から屋敷から
マルッと残っていて一寸好い感じです
雨も上がってウロウロするには丁度よいですね

そして家老屋敷の近くにたつ十兵衛杉…
って、これでいいんだよね?!

道標だけで回りに立て札も何も無かったんだけど
落雷で立ち枯れした巨木ってきいてたから

ソレっぽいのこれしかないしなあ…

一寸モニャもニャした気持ちを残しつつ
道を進むと再びこんな場所へ

といっても国道の川挟んだ反対側の遊歩道
こちらの薄暗い川べりに阿対の石仏が彫られているのです

薄暗いし湿っぽいし、周りに誰かがお供えした跡とかあって

一寸中途半端に人の気配がある場所って怖いよねぇ(苦笑)

さて、石仏を後にして国道をいくばくかすすむと再び山へ
暫くはきちんと整備された道路が続いていたのですが
かさぎゴルフ場を超えたとたんこの有様です

一応バイパスの整備工事してるみたいだけど
いきなり「道路終わり」ってなってて一寸あせりました
この行った先に今日最後の目的地、笠置寺があるのですが
ふらふら歩いていたら道の脇に
般若台六角堂という史跡にぶち当たりました

今は解りやすいように礎石が並べてあるだけなんですが
ううん。これはなかなかいいものを見つけたものだ
でも、日も傾いてきたし、そろそろ笠置寺に着かないと
拝観時間がやばくなって…

って、あれ?
なんかいきなりお堂の前に出てきちゃったぞ?!
下のほうに門があったので一寸降りていって正面に回ってみたら
ココが笠置寺でいいみたいです

門をくぐって左に行くと拝観受付
ココから山頂をぐるっと一周する
笠置寺修行場めぐりコースへとすすみます
先ずは一寸下って正月堂

そして正月堂の前には十三重の石塔と巨大な本尊弥勒仏

弥勒物といっても元弘の乱で線刻が焼け落ちてしまっているので
今はそのお姿を拝むことは出来ません
でもうっすらとゴゲ残る光背の輪郭と
迫り来るように見上げんばかりの巨体には
ため息しか出てくるものがありませんよ

そして折り重なる巨石の隙間に雨乞いの千手屈
…石立神社もだけど、もしかして柳生って巨石文化なのかな

そんな巨大な岩肌に圧倒されながら先に進んでいくと
その眼前に現れるのはこれまた巨大な仏さまがっ

この虚空蔵磨崖仏、あまりの迫力に圧倒されて
アホみたいに見上げていましたが、今調べたら
高さ13mもあるんだそうです。こりゃ首が痛くなるはずだよ
もう一寸見やすいようにUPで取ったのをもう一枚!!

ううむ。こういうのこんなに近くで見たの初めてだなあ
ぼけーっと見上げていたら、正月堂で追い抜いた家族連れに
追い抜かされてしまったのでいそいそと胎内くぐりへとすすみます

そして太鼓石。叩くと音がするそうですよ

そして眺めのいい平等石…揺るぎ石だったかな?!わすれた!!
ココで足を滑らせてカメラを岩に叩きつけてしまいました(泣)
買ったばかりなのにもうボロボロだよー

そしてさらにすすむと二の丸跡

このあたりになると道が段々なだらかなってきて
周りの紅葉を楽しむ余裕が出てきました

遊歩道の脇に後醍醐天皇行在所があったので寄ってみようかと思ったら

う、うへぇ〜…

まあ当然登るんですけどねええ、もちろん
毎度思うことだけど、こういう場所では
僕とかよりずっと年配のオバ様方とかのほうが
ずっと健脚なんですよね。何で皆あんなに元気なんだ

そして石段を降りてこちらは貝吹岩。

このあたりは流石に好い感じに色づいてきていますね

笠置寺は紅葉の名所だそうで、ココで紅葉祭りなどが催されるそうです
とか聞くと、やっぱり来週あたりに来るべきだったのではとか以下略

そしてさらにすすんで元の場所に戻ってきました
景色はいいし石仏もいいし今日一番の大当たりかもしれないココ
いや、石立神社が一番かな…一寸甲乙つけがたいですね

でも、入り口に貼られていた
「これだけ名跡名所があるのに観光客が全然来ない
奈良市内からも近いのに、何が悪いのか是非意見を聞かせてください!!」
…って言う張り紙を見るにやっぱ閑散としてるんだろうなあ

確かにいい場所なんだけどね

笠置寺の先ほどの門を降りたところに食堂があったので
軽く朝昼兼用で雉蕎麦をいただきました

ええ、今日はまだ一食も取っていません。もう夕方なのに

ご飯を食べたら道標に沿って山道を麓へと降りていきます
途中、いかにも人が住んでそうな廃屋とかあってマジ怖かったのですが

実は僕が降りてきた山道の隣に車道がっ

気付いてたら車道で降りたのにー!!
とか思っても後の祭り、笠置駅で電車の時間を確認したら
奈良方面の電車まで結構時間があるようです

どうしようかなと思ったのですが、笠置駅の近くに
新しい温泉施設があったのを思い出したので
せっかくだから今日一日の汗をそこで流していくことにしました

笠置駅から笠置山を望む
先ほど歩いていたのはあのあたりですね
多分右の山肌の向こうに六角堂跡とゴルフ場があるはずです

そして真新しい温泉施設
街自体は凄く寂れているのですが
温泉は思った以上に盛況です

そういやあ、山梨の「みたまの湯」もあんなところにあるのに結構盛況だし
周辺住民をメインにする限りはこういう温泉施設って案外いいのかも

というわけで電車が来たので一路奈良へ逆戻り

戻ってきたら真っ暗ですが時間的に余裕があったので
恒例の奈良国立博物館「正倉院展」によることにしました。
この時間なら空いてるかと思ったのに全然空いていませんでしたよギャフン!!

そして去年上手く撮れなかった興福寺五重塔夜間ライトアップ
ううん東大寺南大門も撮りに行けばよかった!!

さて、なんだかんだで丸一日歩き通し
予定も後一日あるし、いったん荷物を置いてから夕ご飯に
とかおもって近鉄に乗り込んだところで
ふと、鞄の中を探ってみたら…

カメラがない!!

さっき東向き通りを歩いてた時はあったのに
マジで頭真っ白状態で大慌てで東向き通りを中心に
最後に撮影したところからうろついたところを三周ほどしても見つかりません

昨日とおとといの写真はパソコンに吸い出してるからまだしも
今日取った写真が全部パー!!
っていうかあのカメラほんの一週間ほど前に買ったばっかりなのに!!
買うときに倍の値段がするハイエンド機とどちらにするか3〜4時間ぐらい迷ったのに!!


って言うかこれで心置きなく
ハイエンド機買えるんじゃね!?



とかもうなんかすんごい頭グルグル状態で
とりあえずどうしようか軽いパニック状態に陥っていたのですが

ふと、
「そうだ、交番に行けばいいんだ!!」
ということに気付きました


いや、最初に行けよって思うけど
人間予想外のことが起きると基本的なことが思いつかないもんなんだなと以下略


拾って交番に届けてくれた方。本当に有難うございます

ちなみに、交番では持ち主であることを証明しなくてはいけないのですが
僕の場合、先ほどの興福寺五重塔と
落とす直前に撮影したこの二枚が決め手になりました


ありがとう!!せんとくんと其の他二人!!

これで駄目なら鞄からピンキー出そうと思ってました
ええ、せんと君達を撮影する人はいても
ピンキー持ち歩いてる人なんてそうはいないだろうしっ


っちゅうわけで、出先でのカメラ紛失には注意しましょう
マジでへこむから
本当に信じられないぐらいへこむから!!

これいまだにトラウマになってるんだよね…


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