そんなわけであっという間の最終日
この日は奈良奥山から芳山そして柳生まで歩いてみよう!!
とか思っていたりしたのですが、なんでも天気の具合が一寸心配
奈良県内はとてもそんな感じはしなかったのですが
京都や和歌山滋賀はそれなりに崩れている様子
雨が降ってる時に山ん中なんか入りたくないやい!!

ちゅーわけで予定を変更
前々から一寸気になっていた京都と奈良の県境にある
当尾に行ってみることにしました
バスあんまり走ってないけど、ガイドブックの地図だと
なんか歩いていける距離じゃね?コレ

朝一に出れば途中で諦めてもリカバー出来る距離じゃん!!

というわけで朝一で近鉄奈良駅
そのままいつもなら直進する県庁前交差点を左折して
般若寺方面から369号を歩いて浄瑠璃寺口を目指すこととなりました


京都奈良無責任日記2007(三)
Pinkyがいないといやなんじゃー!!というひとはこちら


関係ないけど僕は数年前に
従兄弟と深夜の山梨を散歩していて

「君の距離感はもう二度と信用しない」

と断言されてしまったことがあります


とか言ってるうちに東大寺の転害門に到着です

ここを入ってしばしいくと正倉院
大仏殿から買い団員を経由していくとそんなに距離がある感じがしないのに
いつもと違う方向から攻めると妙に遠い気がしてしまうのが不思議なところ

ここをもう一寸行くと般若寺なんですが
まだ開門してないのでそのまま素通り
…そういやあ行ったこと無いな般若寺…

さてさて、369号をそのまま道なりに進んでいくと
山すそにちょこんと大仏殿の屋根
このあたりで二キロ一寸離れてるのに
改めてその大きさを感じさせてくれますね

どうでもいいけど、もうカメラのバッテリーがやばい感じに…
朝まで充電しておいたのにー!!

カメラはやばい感じですがそれ以外は特に問題はなし
途中、柳生と浄瑠璃寺口への分かれ道があるのでそこまで
タラタラ歩いていけばいいだけなので気楽なものです
でも、一時間ほど歩いたところでなんか一寸やばい雰囲気に…

あれ?もしかして曲がるところ見失ってない??自分

このまま道なりにすすむと柳生に着いちゃうよ?
自分の感覚ではもう少し歩けば分かれ道のはずなんですが
諦めて奈良から岩船寺方面のバスに乗るなら

このあたりがギリギリ。


というわけでサクっ諦めて近鉄奈良駅に逆戻り
改めてバスに乗り込み岩船寺へと向かうことにしました

バスから確認してたらやっぱり引き返した地点から
もう少し行ったところに目的に分かれ道がありました
でも、そこからがまた長かったので
実際引き返してよかったのかもしれません

もう少し早い時間についてたらコンビニで
ちゃんとした地図を買って最後まで歩きましたけどね

という訳で無事に岩船寺口バス亭に到着しました

当尾はもともとお寺が一杯あったそうですが
後の世の兵火に焼き払われて今は山や畑に
石仏や磨崖仏が残されるのみ

とにかく二日目、高取山の五百羅漢に気をよくしていたのもあって
コレは是非見に行こうって気分になっていたんですね

そんなわけで山間の畑の脇を抜け暫く行くと
岩船寺への道すがら、思わず通り過ぎそうになった
農道の分かれ道に弥勒磨崖仏を発見!!

ううん、もう線が薄くなっていて注意深く見ないと形がわかりませんね
岩船寺で買ったガイドによると、室生大野口の大野寺から見える
磨崖仏と同型の像だそうです。

このあたりは本当に山間の農村
見渡す限り山と畑しかないのですが
そこかしこに道標があるので迷う心配は略皆無

道標に従いガンガン突き進んで三体地蔵

三体地蔵唐そのまま山道さらに進むと、すっと山が切れて
その谷間の集落の奥に岩船寺が見えてきました

門から一歩はいると思わずため息
うわーコレは綺麗だ!!両脇に圧迫する谷間の寺
こういうロケーション初めてじゃないのに
圧倒されてしまいますね

入って正面に池、そして右手に本堂。その正面に不動明王と石造十三重の塔
先に池から三重塔へと抜けるか、それとも本堂にまず行くかで悩みましたが
おばさんの団体さんが本堂へと入っていったのが見えたので
一寸時間をずらそうと先に三重塔を見ることにしました

だって、込み合った所で仏像とか観るの嫌なんだもん

という訳で重文の三重塔
年季入ってるっぽいのになんかやたら色綺麗なんだけど
最近塗りなおしたのかな??

屋根の垂木に天邪鬼がいるらしいんですが
巣ポーンとを見るの忘れていました…駄目率高すぎ!!

三重塔から裏手の山を貝吹岩まで登ってきました
ここは当尾で最も高いところだそうで、
昔は近隣の僧侶を集めるために
ここから法螺貝を吹いて知らせたそうです

という訳でほら貝を吹いたから貝吹岩
岩の形が貝に似てるからかと思ったよ

さすがに一番高いというだけあって眺めはなかなか
結構遠くまで見渡せます

さて、山から下りて本堂に入ると先ほどのオバ様たちが
住職さんの説法を聞いていました。

うわーこれは便乗しておくべき状況ではないかい!!
むぅ…しまったなぁ。こういうところの説法は結構面白いのに
話は長いけどね。
ってな訳で途中参加。こそこそとオバ様達の後ろに座って説法を拝聴

やはり三重塔は最近修復事業で塗りなおしたとのこと
来るひと来る人にぼろぼろだから何とかしろといわれ続けて
いろいろ苦心して費用を捻出し塗りなおしたら
「前のほうがよかった」といわれてしまったそうです

もちろん坊主の言うことだから半分ぐらいは冗談でしょうが
途中から聞いたとはいえ住職さんの話が結構面白く
ますます時間をずらそうとしたことが悔やまれて以下略

話が終わったあと、静かに本堂を回り
さて、正面からご本尊の阿弥陀如来坐像を拝もうか…と思ったら

突然、オバ様方が何か歌のような念仏を唱え始めた!!
うわっ、単なる観光客かとも思ってたらモロ宗教関係者だったのか

勢い祈りの場となってしまうと単なる観光客の僕は
一寸いこごちが悪くなってしまうのは説明不要

正面からご本尊を拝むのを諦めて次の目的地へと向かうことにしました

…なんか、一寸悔しい感じが…

さて、岩船寺から浄瑠璃寺へと向かうのですが
ここでも道標に沿って石仏めぐり
今回はあまり遠そうなところはことごとくスルーしてるのですが
よくよく調べたら離れてるといっても4〜500mぐらいなんですよね
しまったなぁ。けちけちせずにちゃんと回ればよかった!!

そんなわけで不動明王立像
脇の割れ目もなんかが掘られてるっぽく見えてくるのは只の錯覚です

そしてその脇には眠り仏。土中に埋まってるので
いつの間にかそう呼ばれるようになったそうです

看板には「安らかにお休みください」って書いてあるんだけど
なんか死んでるみたいに聞こえるよね…

さて、眠り仏と不動明王に別れを告げて
さらに山間の道を進んでいくと
当尾で一番人気の「わらい仏」がみえてきました

中央に阿弥陀如来、向かって右に観音菩薩で左が勢至菩薩
三尊形式は向かって右が慈悲を表し、左が知恵を現すそうです

さてさて、さらに山間を進んで唐臼の壺へ向かいます
このあたりになると結構散策している年配の方が多いのに驚かされます
みんな健脚だよねホント

そしてこちらが唐臼の壺
なんかの礎石だったのではとかそんなかんじ

そして唐臼の壺の正面の山肌にはからすの壺二尊。
こちらは阿弥陀如来坐像

さらに阿弥陀様の彫られた岩の左側面には
地蔵菩薩立像がほられています

阿弥陀様の横にある四角いのは灯篭だそうで
ここに灯明を備えることが出来るそうです
この二つはガイドブックに解説が無かったので
おもわぬ遭遇に一寸興奮気味(笑)

乗ってなかったついでにここから脇に入ったところに
一鍬地蔵というお地蔵様がいるそうなので
ワクワクしながら進んでいくと
農道脇の岩肌の上のほうに鍬で削り取ったかのような凹みが

本当にコレが一鍬地蔵でいいのかなと一寸不安だったのですが
後で調べたらコレで間違いないそうです
あの窪みにお地蔵様が掘られているそうなのですが
風化が激しくもう判別が難しいとのこと

さてさて、散策コースに戻って次の目的地あたご灯篭

さらに進んで藪の中三尊
左から阿弥陀如来坐像・地蔵菩薩・長谷型十一面観音
って、解説読むまで右のが長谷型観音って気付かなかったよ

藪の中三尊の前には小さな埋まりかかった石塔
こういうの見るともうぞくぞくしませんか?!

さらに進んで首切り地蔵
藪の中三尊と同じく1262年(弘長二年)の銘があり
当尾の在銘石仏では最古のものだそうです
「首切り」なんて穏やかじゃないなぁって思いながら
解説を読んでみたら「首のくびれが深くて切れているように見えるから」

…えー

(処刑場にあったからという説もあるそうです)

さらに進んで穴薬師
石の祠の中に薬師如来がおられるのですが
結構高さがあって中を撮影するのは諦めました
どうでもいいけど右側の灯篭がさっきの
あたご灯篭と同じ形をしていますね

このあたりから再び山の中に入って大門石仏群
うわーキモーっぞくぞくするぅっ!!(喜)

たまんないなぁこのあたり。来てよかった

さらに農道を突き進んでいくと
谷間をはさんだ向かいの山肌に大門仏谷丈六阿弥陀磨崖仏

2.5mほどだそうですが…良くみえな…
でも本当にいいなこのあたり

仏谷からぐるっと山を抜けるとバス通りにぶつかります
ここからバスに乗ればすぐ最終目的地の浄瑠璃寺なんですが
まだまだ当尾の石仏は終わりません
わき道の上には焼け仏こと阿弥陀石仏

さらに進んでたかの地蔵坊

山の中に埋もれて自然に帰ろうとしているかのような石仏たちですが、
なかなかどうして、今でもそれなりに大事にされてるんだなって感じです

さて、もうこのまま浄瑠璃寺へと向かうだけなのですが
その途中、道を外れて山を越えた谷間に
浄瑠璃寺奥の院、不動明王立像がっ

どうしようかなぁ〜と一寸迷ったのですが
せっかくなので行ってみることにしました

しかしここに来て段々天気が怪しいことに…
こんな山道で土砂降りになるのはごめんなので
一寸急いで山の中へと進んでいきます

…でも、一昨昨日までの雨の所為か道がぬかるんでるんだよなぁ

さて、谷間の急な斜面を降りて沢を渡ると
その対岸の木々の向こうに…

不動明王立像発見!!
良いロケーションだなチクショウ(笑)
足場の悪い急な斜面を降りてきたかいがありました
でも、帰りあの斜面登んなくちゃいけないんだよね

後は写真がぶれていなければなぁ…

再びバスどおりまで戻って一寸進むと
道路わきの少し高いところに「ながおの阿弥陀」

うっかりスルーしちゃうとこだったよー

ちなみに、この通りの道沿いに丁石という道標があるのですが
僕は一個しか見つけられませんでした

というわけでようやく浄瑠璃寺に到着〜

山門を入ってすぐ右手にながーい本堂
正面に九枚の扉があり、それぞれに一体づつ
九体の阿弥陀如来坐像が一列に鎮座する
本堂は一見の価値あり

壮観ですよ。ある種感動モノです

そして本堂の正面、阿弥陀様の眼前に広がる
宝池は浄土を表しその向こうの三重塔
東には薬師如来が祭られています

東の薬師、西の阿弥陀
東は過去世で西は未来世を現すそうで
東の薬師を参拝した後振り返ると…

対岸には阿弥陀様達のいらっしゃる本堂が
浄土は大河を渡った先の彼岸にあるとされるので
過去世から宝池を大河に、対岸を彼岸に見立てているそうです

って、本堂で買った本に書いてありました

まだ半分ぐらいしか読んでないけど、
受け売りでもそういわれると「へーっ」て思いませんか

で、その薬師如来のいらっしゃる三重塔ですが

やっぱりというか、天候不順のため
扉は閉められていて中を見ることは出来ませんでした

岩船寺だけど、どこから見ても綺麗なんですよねぇ
絵になるって言うかさ
でも、ここに着て急激に空模様が怪しくなってきてしまいました
そろそろ奈良行きのバスが出る時間というのもあって
一寸名残惜しいですが浄瑠璃寺を後にして
バス停へと向かったのですが…

タッチの差でバス出ちゃった
あと一時間半はこねぇ
しかも土砂降りになってきたよー

「必ず雨が降る呪い」健在!!

というわけでバス停近くの食堂で
軽くお昼ごはんを食べて時間つぶし

一時間半も時間をつぶすのは面倒だし
JR加茂駅方面のバスが先に出るみたいなので
加茂駅まわりで奈良に戻ることにしました

駅に着くといい具合に雨が上がってきて
とりあえずほっと一息

…しまった、浄土寺のすぐ近くにある水のみ地蔵を見るの忘れてた(泣

雨やむんならもう一寸あのあたりうろついてりゃよかった
とか後悔しつつ奈良市内に逆戻り
今回まだ鹿と戯れていないので
鹿を求めて例によって興福寺にやってきました

興福寺は今年二回目、半年前にも来てるので
復元状況はあまり変わっていませんが、まあ、毎年のことなのでチェキ!!

興福寺は毎年来てるどここ何回は写真撮ったら終わりだったんですが
改めて見てみると東金堂や五重塔って
結構良い形してるんだよね
次ぎ着たときはもう一寸ちゃんと見直してみよう

興福寺は毎年何かしらの特別公開をやってるのですが
今年も例によってやっていたので一寸立ち寄ってみました

今年は本坊の秘仏。重要文化財「聖観音菩薩立像」
結構混んでいてなんていうか

ああ、…こういうのを
「上野動物園にはじめて来たパンダを
見に来た観客の気持ち」
っていうんだろうなぁ…

本当は別の場所で国宝乾湿八部衆像の拝観もやっていたのですが
なんか前観たような気がしたのでスルー
でも、やっぱり見てなかった感じもする
しまったなぁ。何でスルーしちゃったんだ

というわけでそんな傷心を癒すために鹿と戯れにGO!!

なんかね、今回は雄鹿ばっかり観てた気がしますよ
いい具合に色ついた木があったのでそれもチェキ
今年は本当に紅葉に嫌われたなぁ
来年も出発を遅くして紅葉リベンジを狙ってみようっと

そんなわけで一寸早いですがそろそろ京都へ
本当は帰りにも夜間拝観を責めたかったのですが
狙ってた場所の夜間拝観が数日後からとか来週からとか
微妙にタイミング外しまくりんぐ
しかも京都市内雨降ってるし、なんか嫌んなっちゃったので
さっくり帰ることにしました

そんなわけで夕ご飯用に買った駅弁〜
今回は初日ガスってるわ、なんとなく見所スルーしちゃうわ
お約束どおり雨に降られるわ
イマイチぱっとしなかった感じではありますが

なかなかどうして、
まさに石仏と城跡の探訪といった感じで
色々鳥肌モノのふうけいを見ることが出来ました

当尾と高取城は数年後にリベンジしよう!!
…ほんとに今年(2007)は城ばっかり行ってるなあ

という訳でいつもどうりの自分土産〜
漬物とか八橋の生地で作った餅とか
左の正倉院のはんこが押してあるのは
奈良の町おこしで作られたお菓子。
博物館の前の特設物販テントで売ってたのが美味しかったので
買ってきちゃいました。
奈良町のほうにある店らしいので
次回行った時にも探してみちゃおうかと思いますよ

忘れなきゃだけどね




その一
その二



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