2007年も気付けば三月
花粉症の虫も疼き出す温暖化真っ只中に
仕事や学校なんてやってられるかコンチキショー!!
って叫びだしたくなるは必定ってやつだよね?!
たぶん
「ボクが思うに、堪忍袋の緒と締め切りって似てると思うんだ」
一寸イラッとするよしこの発言
だけど一理あると妙に納得しちゃったスゥなんだった
そんなわけで毎度のことだけど
適当に言いくるめられていざ出発といくのでした
ピンキーストーリー
〜・おでかけ おでかけ・〜
京都奈良滋賀2007・・・その一
pinkyってなんじゃ食物か?…って人は
こちら
そんなわけで京都に到着したよ
新幹線から在来線に乗り換えて
やってきました黄檗駅
「えーと、こっちかな?多分こっちのような感じがするんだけど」
「ちょ、ちょっとよしこ!!」
根拠の無い自信に満ち溢れた足取りでづかづかと閑散とした
商店街を突き進むよしこの後を追っかけながら
「どこに行くのかぐらい言ってから行動しろ!!」
「あれ??言ってなかったけ?マァマァすぐそこだしすーぐー」
商店街を抜け道なりにウニウニ進んでいくと
「商店街を抜けたら中国だった?」
ここは江戸時代に明から渡来した僧侶が建立した
中国風伽藍の禅寺、万福寺
「ほらほら、スゥってば中国中国!!」
「?!なんだろう門の前に井戸が二つもあるけど…?!」
「ほーらー中国中国ー」
「あーもう、後でコロッケ買ってやるから一寸待って!!」
大陸の香り漂う門よりも
門前の石碑に興味が行ってしまうスゥなんだった
「そういえば宇治といえばお茶だったね」
鎌倉時代、宇治の里人に茶の種のまき方を教えた
明恵上人への感謝を示す碑のようです
「いつの時代も感謝を忘れちゃだめってことかな」
「そーんーなーのーよーりーっ!!」
いらいらして来たよしこにヤレヤレってなもんで
二人はいよいよ万福寺の中へと向かうのでした
「バーコードぐらい剥がそうよ…」
三門を抜け天王殿
「布袋様って実在の人物なんだって。ホントかな?
弥勒菩薩の化身ってホントかな?」
正面に祭られた金ぴかの布袋様の後ろには
韋駄天像があるそうですよ。後で後ろに回って見てみましょ
「こっちの扉は鐘楼だって」
「こっからじゃどんな形かわからんじゃないかい」
見れないって行っても回廊を回ってればそのうち
反対側に出るんじゃないかな
だけど、よしこは鐘楼よりも
柱にかけられた鳴物を叩きたくてウズウズウズウズ
そんな気持ちを察してか、柱にはちゃんと注意書き
「コレなんて叩くととてもいい音がしそうなんだけどなあ…」
そんな煩悩は魚に咥えてってもらいなさい
この開版、時間を告げるために今も使用されているそうですよ
さて、木の魚がある斎堂をこえて次は法堂にやってきました
卍崩しの勾欄が素敵ですね
「えーと、多分このあたりからならさっきの鐘楼が…」
「あ、アレじゃないかな??アレでしょさっきの所って!!」
回廊から望むさっきの鐘楼
ああそういえば韋駄天蔵をまだ見てませんでしたね
「こっちこっち、こっちの敷石に沿っていったほうが早いよきっと」
言うが早いかピューっと走り出すその姿やまさしく韋駄天
何でこいつこんなに落ち着きが無いんださっきから
なんて思いながらヤレヤレって感じで後に続くスゥなんだった
天王殿を、いや伽藍全体を強く吹き抜ける風の音で
前から後ろから靡く鈴の音ちりんちりん
韋駄天像から振り向くとそこには万福寺本堂、大雄宝殿
「ボクねーさっきから思ってるんだけど、
ここの仏像とかってなんか濃い顔だよね。クスクス」
「まあ全部、明の仏師が作ったらしいしね」
さて、一寸長居しすぎたようです
万福寺を後にして、一寸離れた場所にある
宝蔵院にやってきましたよ
門を入った裏手の建物が宝蔵院
入って二階に上がった床から三階まで
薄暗い中にうず高く詰まれた経典の版木の数に
思わず圧倒されてしまった二人です
そうこうしてるうちに時計の針は真ん中を過ぎてしまいました
急いで駅に戻り黄檗から一駅、宇治に到着です
そして宇治といえば平等院ですね?
「10円だー!!十円の建物ー!!」
「よ、よしこっでかい声でかいって…!!」
「だって十円だよ十円玉の裏の」
「鳳凰堂は表だ馬鹿っ!!」
「馬鹿って…十円を笑うものは十円に泣くんだから」
「泣くな十円!!」
ちなみに鳳凰堂って俗称でほんとのなまえは阿弥陀堂
名前のとおり阿弥陀様が中にいらっしゃって
お堂の正面に建つと扉の上の丸い窓から
お顔を望むことができるのですよ
「お堂の扉の絵良かったよねえ〜」
「鳳翔館に複製があってよかったよね。
本物は寄ると消えそうで怖いんだもん」
さて、もうしばらく平等院を回った二人
次は宇治川の対岸、放生院へと向かうのでした
昨日の大嵐の影響か、宇治橋の上に立つと
抜ける風で吹き飛ばされそうになってしまいます
そんなわけで放生院に到着
拝観料を払って本堂の中に上がらせてもらいます
「??なんだろう、この釈迦如来坐像なんかいつもと違うんだよね」
「あ、髪の毛!!アイパーじゃないんだアイパーじゃ!!」
アイパーいうなや
髪の毛の造詣が確かに普段見る物と違うんですよ
そういえば不動明王立像のゆがんだお顔も
袈裟に豪華可憐な色彩の施された地蔵菩薩立像も
「コレだけ近くで見れるとなんかイロイロ新鮮…」
ついでなので境内にある宇治橋架橋の由来が刻まれた断碑も見せてもらって
ホクホクしながら次の目的地に向かう二人でした
川から上がったところにあるなぞの門?!
なんだろうと見回すと近くに鳥居も発見
鳥居からまっすぐ進むとやがて正面に宇治神社
「…宇治神社ってことは…確かこの道の先に…」
「あれ?スゥ??どしたの?ねえちょっとー」
呆然としてるよしこを置いてふらふら
スゥはさらに道を進みます
そう、宇治神社のさらにその奥
「あー!!コレコレ!!一度見ておきたかったんだよねココ」
「え?!なにここ、民家か何か??」
いいえ、民家ではありません
日本で最も古い神社建築のひとつにして
とても小さな世界遺産。宇治上神社!!
「いやね、先週ネットの旅行記見てたらたまたまココが紹介されててね
ほら、格子戸の中に社殿が!!社殿が三つ!!」
「…えーと…」
「あっはー!!何コレ賽銭箱もちゃっかり三つ並んでるじゃんー」
「…」
今日一番のはしゃぎっぷりというか、スゥの豹変っぷりに
さすがのよしこも一寸引き気味。
拝殿や春日者を飛び回る彼女をほっておいて
適当にぶらぶらしてると
拝殿の横に水をたたえた小屋を発見してしまいました
「なんだろう?これ…柄杓があるってことは飲んで良いんだよね??」
この湧き出る水は、宇治七名水の一つ桐原水
「名水ってことはやっぱおいしいんだよね?
この水でお茶を点てたらきっと楽しいと思うんだ」
さてさて、まだ興奮冷めやらぬスゥといっしょに
道なりに宇治橋方面に歩いていくと
源氏物語ミュージアムなる建物が
「へぇ〜源氏物語の後半って宇治が舞台なんだ
どうりでさっきから光源氏とか薫の君とか書いてあると…」
「おにいさま…涙が、止まりません!!」
さてさて、そろそろ一寸イイ時間
でもまだ一寸時間があったから県神社に寄り道です
そして再び宇治橋のほとりに戻ってきたのです
さっきよりも風が強くなってきて本格的に寒くなってきましたよ
いつもならこのままホテルに直行ですが
じつは今日この後日暮れ後、
奈良東大寺二月堂のお水取りを見に行くのです
だけど風も強いし晴れてるのに小雪もちらついてるね
御松明の火の粉を浴びると病気にならないっていうし
そそくさと宇治を後にして電車の中で一眠り
次に気付いた時はきっと奈良
その二
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