そんなわけであけて二日目、朝一番の新大宮。


「うっ…わーさむーい。温暖化はどこ行っちゃったのさー」


昨日から急激に冷え込んで、三月なのに一月のような冷え込みです

あんまりにも寒いから使い捨てカイロが欲しいところだけど

今年はもう、仕入れてないんだって。コンビニの癖に便利じゃないったらもう

だけど、そんな寒々しい朝なのに

なんだかスゥは一寸楽しそう



「いやね、4年ほど前に線路跨いだあそこのホテルに泊まったんだよね」


そう、スゥは数年前にも新大宮に泊まっていたのです

しかも今日行くところは、その時に行った室生大野口の一寸手前

長谷寺だってんだから一寸因縁めいたものを感じちゃう

朝一の学生だらけな電車に乗って

近鉄長谷寺駅に到着したのでした


ピンキーストーリー

〜・おでかけ おでかけ・〜

京都奈良滋賀2007・・・その二


pinkyってなんじゃ食物か?…って人は
こちら


そんなわけで近鉄長谷寺

一緒に降りてきた学生の集団が立ち去るのを見送って

彼らとは違う方向へと標識に沿って進みます



「そういやあね、ボク、この格好でカラオケに行ったら

"高校生は駄目でーす"って入店断られそうになってさ」


紛らわしい格好してるほうが悪いと思います

って言うかあんたらいくつや。とか言うのは永遠のヒ・ミ・チュ(第一○銀)



「お寺まで道一本ってのがいいよね

なんか古臭い町並みが部分部分で残ってるのもイイよね」


一寸くたびれた田舎町、無茶苦茶古いって訳じゃないけど

そこそこ時代を重ねた閑散とした寂しさが

町っ子には一寸心地よかったりするのです



「やっぱ郵便ポストはこの丸いやつだよね」


世間では四角のが主流とはいえいまだ行くとこ行けば現役の丸いポスト

ううん、観光地はいっそ全部このタイプで良いんじゃないかな

なーんてこといいながらブラブラ行くと

道の先にどーんと長谷寺の仁王門



「梅が咲いてるね。そういやあ、長谷寺って花で有名なんだっけ??」



「いい季節に来ればこのあたり全部牡丹が咲き乱れるはずなんだけど、残念」


咲き乱れるのはもう一寸先

梅桜、こぶし山吹躑躅に石楠花藤紫陽花

百日紅芙蓉とモクセイ木瓜寒牡丹

一年中次から次へと花が咲き続ける花の寺


「そういえば、鎌倉の長谷寺も紫陽花寺の名で有名だったんだ!!」



花だけではありません。長谷寺には

長谷型観音と呼ばれるちょっと変わった観音様がいらっしゃるのです



「錫丈なんか持ってお地蔵さんみたいな観音様だよね」


長谷型観音はお地蔵様と観音様、両方の徳を持ってるのですよ



さてさて双堂の正面、舞台に出ると

さっき歩いてきた町と登廊が眼下に広がります



「寺社仏閣って江戸時代以降はあまり力を注がれなかったとか

それまでの様式の反復で目新しいものは無いとか言うけど

そう捨てたもんじゃないって思うよね」

「っていうか、江戸以降は大名屋敷や数奇屋建築じゃね??」


二人は一寸半可通。適当なことをしゃべくりながら

ぐるっと回って本長谷寺までやってきました



でも、よしこは本長谷寺よりも

その上にある一切経堂が気になってしょうがないみたいです


「見れないって言われると無性に見たくなるじゃない。

こっそり行けばきっとばれないと思うんだ」


怒られるからやめてください



さてさて、三十塔跡をぐるって回って

受付まで戻ってきました


「あれだ、清水寺って裏から回ると拝観料払わなくても境内には入れるんだよね」

「あーしってるーでもやる人はいないよねぇ?…

っていうか、なんで今それを言うの??」


それは永遠のヒ・ミ・チュ

そんな二人は駅まで戻る道すがら興喜天満宮に寄り道です



「このちょっとした森の中に吸い込まれていく感じがたまんないよな」


社殿はプレハブに囲まれてたけどスゥはなんとなくご満悦



さてはて長谷寺を後にして桜井駅に戻ってきたお二人さん

今日はこのままバスで談山神社へと向かうのです

でもバスに乗り遅れちゃったので、次のバスまで駅前のコンビニで時間つぶし


「マンサン!!今週の漫画サンデーはどこ?女帝花舞の最終回読まなくっちゃ!!」

「花舞はゴラクだって。マンサンっていったら艶恋師だろ?!」


ちなみに女帝は週間漫画TIME

そうこう言ってるうちにバスがやってまいりました

桜井駅から約二十分。談山神社に到着です



「桜は全部硬くて硬い蕾だね。もう二週間ぐらい遅く来ればよかったかな」

「いや、梅がそのぐらいじゃないかな?桜はもっと後じゃないかな」


花も葉も、全部落ちた真灰色の山の中

だけど灰色の景色のなかに社殿の朱が

それはそれは鮮やかに映えるのです



拝殿から本殿を拝んだ後は

千畳敷伽羅の間に展示されたさまざまな社宝を見て周り

その隅に置かれた源氏系統図の中に自分の苗字が無いか探します



「…ないなあ…日本人のほとんどが源氏ったって、ねえ?」

「源氏の系統で記載されてない人は言えば入れてくれるみたいだけど?」

「源氏専用の連絡ノートまである。ボクが書いてもばれないよね?」


しらんしらん

さて、拝殿を出てそのまままっすぐ

談山神社名物十三重塔を目指しますが

檜皮葺き屋根の葺き替え工事中で見ることができませんでした。残念



十三重の塔の隣の権殿から石段を降りて

神朝拝所で十六羅漢と天女を拝んだら

その正面に立つ総社本殿と拝殿に向かいます



「神社の中に神社があるね。談山じんにゃの拝殿を小さくした建物らしいよ?」

「?!…じんにゃ?」

「にゃ?にゃってにゃだ、スゥってば神社って呂律回ってないんだくすくす」


ブッコロス!!



「こっちは元の本殿を移築したものだって言うけど

こっちのほうが好みかな」



なんだかくたびれっぷりに誤魔化されてる気もしますが

まあ、それはそれ。境内をぐるって回った後

権殿の隣から中大兄皇子と藤原鎌足が

大化の改新について相談をしたという談い山への道が続くのです


普段そんなの気にしない二人ですが、

教科書で読み聞きした名が出てくると

俄然やる気になっちゃうから不思議だね



「ここが談い山?頂上なのに周り全然見えないや」

「石碑とベンチしかないよね。こんな寂しい山奥で

密談なんて、一寸ごめんこうむりたいよ」

そう、昼間とはいえ自分たち以外何も無い山の中

なんともいえない心細さが背中から覆いかぶさるようで

ぶるっと全身にサブいぼを立たせると二人とも無言で

御破裂山に向かって急ぎ足



そしてふと目の前が開けたかと思ったら

目的地御破裂山山頂に到着です


「到着ー。って、山頂丸々お墓なんだコレ」

「ううーん、でも、藤原鎌足って違うとこに墓があったような気が…」



藤原鎌足は別の地に埋葬後

後の世この地に移葬されたとかなんとか

そんな薀蓄は薀蓄としてもココから見下ろす大和盆地は

正に息を呑むほどの絶景なのでした



「あのこんもりしてるところが全部古墳だって言ったら信じるかな」


はてさて、午後もぐるーっと回りこんで談山神社からガーって下ると聖林寺



「…ココのご本尊も地蔵菩薩なんだよなあ…いや、いいんだけど」


初日の放生院のご本尊も地蔵菩薩

午前中に行った長谷寺にも地蔵菩薩があったのが

どうにもスゥには気になるようです


「そういやあ、お地蔵さんにまつわる怪談って良く聞くよね。ボクが聞いたのは…」


止めてください



聖林寺殻さらに山を下り談山神社の鳥居まで来ると

周りの風景はすっかりただの住宅地

ココから駅まではすぐだけど、


「ボク古墳の中に入りたーい!!この近くに入れるトコあるんだってー」


なーんてよしこの一声でもう一寸うろうろする事になりました



そんな住宅街の真ん中に位置するメスリ山古墳


「聖林寺の看板には卑弥呼の墓って書いてあったけど実際どうなんだろ」



前方後円墳らしいですがココまで寄るともうただの荒れ山にしか見えません


さらに町に下りて学校の周辺の遺構などを回りつつ

よしこが行きたいとの賜った艸墓古墳ことカラト古墳に向かいます

でも、結局住宅地をグルグルしただけで

古墳にはたどりつけなかったりするんだコレが



民家の植え込みと塀の隙間から入るなんて

お釈迦様でも気付きません。


さて、この辺でもういい時間

今日最後の目的地。文殊院に到着です



「あそこ!!本堂の横に古墳があるよ?」

「願掛け不動尊だってさ。何願掛けする??」



東古墳はなんだかひっそりしています

でも、古墳の石室に入れて二人とも一寸満足したようですね



果てさて時間もココで一寸いい感じ

天気は良かったけど朝からとっても寒いのに

日が暮れてきたらまるで冬のような冷え込みです

身を縮ませながらイソイソと、桜井駅からびゅうっと

奈良駅までとんぼ返り。


今日はいっぱい歩いたし。

ホテルに帰っておやすみなさいまた明日





その一

その三


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