ピンキーストーリー

〜・おでかけ おでかけ・〜

北海道2006・・・その二

pinkyってなんじゃ食物か?…って人は
こちら


あけて二日目、もうすぐ八時だって言うのに

人も車もほとんど見かけませんね

だけどマキったらそんなことはお構いなしに

赤信号だってズカズカ進んで行っちゃうんだった


「大丈夫。人も車もいないんだから問題ないの」



ないわきゃ無いだろ!…とか突っ込もうと思ったけど

まあ、実際人も車もいないんだからしょうがない


街中が込んでくる前にとっとと釧路を離れて

最初の目的地、厚岸の国泰寺に到着です



「ここって江戸幕府が文化元年に立てた蝦夷三官寺の一つなんだってさ」

「…文化元年って何年だよ」

「文化元年」

「…」

「ナニ?」



なんか早くも疲れちゃったミーコなんだった


さてさて、国泰寺を後にして

そのまま海沿いに車を進めていくと

どばーって視界いっぱいの緑の絨毯

あまりに眼の鮮やかな緑に思わずそばの駐車場、

琵琶瀬展望台に車をつけ、車を降りて展望台の端まで行くと

一面に広がる緑の向こうに太平洋


ため息ものの風景に声も出ない二人なんだった



馬の熱い視線にタジタジ



「ミーコ!!ミーコこっち!!」


駐車場脇からマキの声

なんだろうってそっちのほうに行ってみたら

眼科に広がる一面の霧多布湿原!!


「…っげぇ…っ眼と鼻の先じゃないか!!」

「ねぇ、まだ時間大丈夫だよね?じゃあさ、こういうのは…」



本当はこのまま霧多布岬に行くつもりだったんだけど、

思いのほか湿原に魅かれてしまったので急遽予定変更

霧多布湿原センターに寄り道することにしたのでした



「いいよなあ…湿原中突っ切るのって気持ちイイ〜っ」

「ってーせっかく湿原の中なのに、あんなにスピード出したら何も見れないじゃんっ!!」

「イイじゃん、こっから見れるんだし」



湿原センターの展望フロアでしばし休憩



さてさて、霧多布湿原を後にして車で十数分

岩盤の上に登って霧多布岬にやってきました



ドウドウと打ち寄せる波と轟々と吹き付ける風に

ちょっと足がすくんでしまう二人なのです



「…っごかったよねー」

「っごかったなあ。あの景色の中でランチと洒落込みたかったな」

「まさか売店全部やすみとはねえ」


シーズンオフなのかたまたまタイミングが悪かったのか

昨日今日とどこに行ってもほかの観光客が全然いません。

その所為なのかどこに行ってもお土産屋もお休み中


でも、車を根室に進めていくとさすがに観光バスが目立ってきます


「…朝6時ごろの特急に乗れば8時か8時半に根室につけたのにね

車よりもそっちのほうが良かったかもしれないの」

「…ヤダネそんな早起き。大体マキさ、その後どうやって回るつもりなのさ」

「あら?根室近辺のスポットを回るバスが出てるからそれ乗れば…

…あれ?歯舞??…大変!!ミーコ、私たち北方領土に来ちゃった!!」


ここは根室市歯舞。歯舞諸島ではありません

って、高田里美の「楽々OL24時」じゃないんだからっ



「…売店、開いてるねえ」

「うん、開いてる」

「昆布ばーっかり。一枚かってこうか??」

「昆布なんて、鍋物の出汁にする以外使い方しらねーんですけど」


昆布に後ろ髪を引かれつつ

そのまま岬の先端に進んで

眼を凝らしながら水平線の向こうを凝視します


「…どれ??どれが島??あの薄く盛り上がってるのがそうなの??」

「うすく…て?どこ?どれのこと??」

「いやだから…あのうすーく盛り上がってるとこー!!」



この方向に北方領土が見えてるはず。

でも、薄曇の天気では水平線がぼやけてよくわかりませんね


はてさて納沙布岬を後にして、ほかのスポットにも

なーんて思ったんだけど、曲がる場所が良くわかんなくなったり

面倒くさくなったりでザクッと素通り決め込むことに


「だからー朝一の特急で来れば〜」


そんなことを行っても後の祭り。

暴走特急ミーコのアクセル踏みっぱなし運転で

一気に本日の最終目的地、野付半島に到着してしまったのでした



「すごーいここ海の中に道路が走ってるよ」

「海の中に砂浜だけがあるって感じだよな。

よくもまあこんなところに住もうなんて思ったモンだよ」



道路を走ってるだけで、地図で見たとおりの

面白い形をしているのが解ってしまう野付半島

霧多布や納沙布とは違った自然の雰囲気に一寸ワクワクしてきます



半島中ほどのネイチャーセンターに着いたら

早速散策路に入ってトドワラへと向かいます



「すごいや、遊歩道のそばまで海が迫ってるし」

「って言うかこれって大時化の時って絶対水没するよね」



「これは紫詰草だってそっちはなにかな」

「花の名前なんか知らんって」



自分たち以外誰もいない草原の中にいると

訳も無く寂しい気持ちになってきて

用も無いのに早足でもさーっとした草花の中を突き進み

そんなこんあで目的地のトドワラに到着してしまいました



「桟橋のほうは通行止めだって。一寸行って見たかったかな」



遊歩道をグルット回ってると、先ほどまでの

もさもさと生い茂る草花と対照的に

真っ白に立ち枯れた椴松の残骸が

草に埋もれた白骨のよう


「彼岸が見える。彼岸が見えるよ」

「ばっ…ばーか、なにこわがって…」



そろそろ日が暮れる時間。ほかの観光客もいないし風も出てきました

さっきからの寂しい気持ちの後押しされたのか、

急に何か急かされるような怖さがこみ上げてきて

二人とも無言になって急ぎ足で遊歩道を一周…

っとか思ったらここでも通行止め。

今来た道を駆け足で策路まで戻るのでした



「もういいだろ??早く戻ろうぜ」

「なに?怖いの?」


ネイチャーセンターまで戻ってきてホット一息

売店のアイスで休憩したらそろそろホテルに帰らないといけない時間です。



でも、その前にもうひとつの目的を果たさねばなりません



実は、天気がいいとここから北方領土

国後島が見えるというので

今日は納沙布岬とセットで「北方領土ツアー」と洒落込む算段だったのです


…がっ…



「なんもみえなーい」

「地図だとあんなでかいのにー曇りぐらいで見えないなんてたるんどる!!」


むちゃくちゃ楽しみにしてたのでその落胆もひとしお

本当は野付半島の先端まで行く予定だったのですが

もう時間が時間なのでしょうがなく道路を一気に逆戻り

それではさすがに収まらないので

途中のナラワラを眺めて気を紛らわす二人なのでした



「…みたかったなあ…国後島…」


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