行楽シーズン秋深まる
ムズムズとどこか行きたくなるこの季節に
イロイロ忙殺されちゃうてのはこまっちゃうよね

「…で、どうよ?」
「ね?」
「じゃあ、一寸散歩にでも?」

良いねー!!
そんなわけでいってきまーす
ってな感じで勢い意見の一致を見ちゃったサキとアコちゃん
なんとなく青森まで行くことにしたのでした

ピンキーストーリー
〜・おでかけ おでかけ・〜
青森2007・・・その一


pinkyってなんじゃ食物か?…って人は
こちら


「とおちゃーく!!っていうかさむーい」
「今年はあったかいから大丈夫だと思ったのに普通に寒いじゃん」

秋は寒いのはあたりまえ。それも青森なんて海の向こうは北海道
夜行バスで来ちゃったからまだ6時台だからしょうがない

「とりあえずどうしようか??」
「そういえば、バスの窓からなんか面白そうな土塁がみえてたよね」

そうだそうだなんかあったような気がするよ
そんなわけでとりあえず本八戸駅からバスが
通ったところを逆にたどってみることに
テクテク裏手の坂を上っていくと、ぱっと開けた道路の脇に
なんかとても立派な門がお出迎え

「…はちのへじょうすみごてんおもてもん…??
なんだろう、お城の門みたいだけど」
「ああ、あっち!!あそこに八戸城って!!」

本八戸裏手の高台は八戸城本丸跡
さっきの門も、八戸城唯一の遺構なんですよ
お城の跡なら何かあるかもとてくてく進んでいくと
木立の奥から静かにたたずむ神社が現れました

「ちゃりーんぺこぺこぱんぱん…なんかいいことありますように。ぺこり」

適当にお参りしたら、さらに奥に進んで本丸跡へ

「本丸跡っていってもすっかりただの公園だよね
犬の散歩してるおじさんぐらいしかいないよ」

コレといって城が建っていた痕跡なんか見つからない
でもそれでもやや高台になった公園からは八戸の町が見渡せるのです

さてさて、八戸城から再び通りに戻ってきたら
そろそろ日も高くなってきて一寸寒さが和らいできました
商店街の観光マップにのってる長者山という場所が
一寸近そうなので寄り道決定

「決まった場所じゃ無くて寄り道だって旅の楽しみなんだよね」
「でも、よりみちったってただのお墓じゃない?!」

そんなここは八戸南部家墓所
こういったものにロマンが感じられれば
歴史マニアへの第一歩

「そんな一歩なんかいらないよ。どうせならあの上への一歩がほしいかな」

墓所の脇をさらにのぼっていくと
草むらの向こうに謎の社殿が姿を現しました

ここは長者山新羅神社
正面には普通に参道があるのに裏から来た分
思いがけない発見をしちゃったかのような
なんかそんな高揚とした気分につつまれます

「なんか凄いもの見つけちゃった??」

たぶん石段
さてさて長者山を後にして
まだまだ寄り道は続きます

「寄り道しすぎてどんどん目的地から離れてる感じもするんだけど…いいのかな?」

「いいんじゃない?どうせまだまだ時間あるし
ぐるぐる出来るだけぐるぐる回ればいいんだっ」

回りすぎて眼を回さなきゃいいんだけど…
そんなアコちゃんの心配をよそに二人が次にやってきたのは対泉院

「ここってね。大賀ハスで有名なんだよ。知ってる大賀ハス?」
「知らないけどたぶん縄文ハスとかいうやつかな??」

いきなり当てられて一寸むっとするサキなのでした

縄文遺跡から出土したハスの種から発芽したのが大賀ハス
ここだけじゃなくてあっちこっちで栽培されてるんだって
時代を超えて現代に蘇るなんて、こんなトコにも歴史のロマン

そしてさらに足を伸ばして清水寺に到着すると
木に埋もれた参道の奥にひっさりと静かにたたずむ
茅葺の観音堂が出迎えてくれるのです

「ちゃりーん。むにゃむにゃ…なんかいいことありますように」

…それって観音様にお願いすること?
はてさてウロウロしすぎてそろそろお昼
そういえば八戸についてから何も食べていませんね
とりあえずご飯を食べに行きましょう

八戸というと蕪島や種無し海岸で有名
海が近いから海の幸も美味しいに違いない

「いくらプチプチー。口ん中ではじけるよ」
「烏賊のお刺身、口ん中でムチムチ切れて気持ち良いや」

いくらのプチプチ感とイカのムチムチ感を堪能して
一息ついたらそろそろ寄り道もこの辺で
例のバスから見えた面白そうな土塁へと出発です

到着してみるとそこは八戸博物館横のだだっ広い広場
何も無いのかなと一寸肩透かしを食らった気分になりながら
さくさく奥へと進んでいくと…

「…?!なんじゃこら」
「昔ここにあった館かなんかの模型かな

あっちの柵で囲われてるあたりみたいだけど」

「あっち?あっちってどっちよ」

「ほらこっちこっち。柵の向こうになんか見えてるしっ」

振り向くと広場の向こう、
深い堀になってるその向こうに何か館のようなものが見え隠れ

ここは日本百名城のうちのひとつ根城
中世城郭の特徴をよく残す珍しい遺構なんですよ

てくてく柵の中に入ると復元再建された主殿と呼ばれる建物がお出迎え

「城って言うよりか砦ってかんじだね。ほんとにこんなの建ってたのかな?」
「何も建ってないわけ無いんだし、城ならこのぐらい建っててもおかしくないんじゃない?」

かってなことを言いながら主殿のなかへ
復元再建とは言っても雰囲気たっぷりのその構造に
なんとなく満足してしまう二人なのでした

「奥の部屋にあった鎧の写真。写真じゃなくて本物置いててくれればいいのに
ああいうのを蛇の生殺しって言うんだ」

「…それは一寸違うと思うけど…でもせっかくだしねぇ?」
「いく?」
「いっちゃう??」
「ほんじゃいってみようか」

根城におかれた写真の鎧は青森で唯一の国宝「赤糸縅鎧」「白糸縅褄取鎧」
思い立ったが吉日娘。根城の散策が終えてさくさくっと
二つの鎧が展示されている櫛引八幡宮へとやってきました

このあと法光寺で五重塔を見たり

三戸城跡を散策しまくったりするのですが
まあ、それはまた別の話…

「だからちゃんとカメラの充電して置けばよかったのに」
「そんなこといっても後の祭りだからしょうがないよ」

三戸城に沈む夕日を眺めたら
今日の宿、十和田湖畔へと一直線

でもなぜか途中でピラミッド散策をする羽目になってしまいました

夕方の山道は怖いよー


その二
その三



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